老人ホームに持って行くものの選び方やトラブルへの対処法について

2023-02-23

老人ホームをはじめとする高齢者介護施設は、入居する高齢者が快適に生活できる場であることが重要な選択肢と言えるでしょう。

日々の暮らしに不便さを感じないことが良質なホームの条件とも言えますが、一方で複数の利用者と共同生活を営む場でもあることから、ハウスルールの確認を怠ってはいけません。ここでは老人ホームでの生活に用いる物品の選び方やトラブルが起きた際の対処法についてお伝えします。

老人ホームで起きる人間関係のトラブルとその対処法

高齢者の安全で快適な暮らしの維持を目的とした福祉施設

日本における老人ホームの歴史は19世紀末に、イギリス人の伝道師が開いた養老院から始まったとされています。この養老院は困窮した高齢の女性を対象とした入居施設であり、要介護の高齢者をケアする現在の老人ホームとは異なる施設でした。

また、類似した施設は後に複数開設されたものの、あくまでも身寄りのない人や困窮した人が対象であり、心身のケアを必要とする人は対象ではなかった事実は否定できません。当時は家族が高齢者の暮らしを支えるのが当然とされていた他、高齢者本人も他人に介助されることへの抵抗感を抱いていたためです。

現在のような、医療的見地に基づく介護ケアを提供する老人ホームが作られたのは1963年に老人福祉法が制定されてからです。参考サイト>>ウチシルベ > 老人ホーム 紹介

現在ではグループホームやデイサービス施設など様々な形態の高齢者介護施設がありますが、それらの施設を意味する一般的な通称として老人ホームの名前が用いられています。

それぞれの施設の運営方針や利用の条件は異なるものの、高齢者介護を目的としている点は共通しているのも事実です。施設を利用する側にとって、毎日を快適に過ごせることが何よりも重視すべき点と言っても過言ではありません。

私物の持ち込みについても同様であり、安全や公衆衛生を重視しつつ、できるだけ個人の希望を尊重したルールを定めているホームほど暮らしやすいと言えるでしょう。

自宅での生活と変わらない暮らしを実現させることが大きな課題

老人ホームへの入居に抵抗感を抱く高齢者は珍しくありません。家族と離ればなれになること以外に、自宅以外の場で暮らすことへの不安が忌避感をもたらす理由です。そのため、老人ホームへ持ち込む私物は使い慣れている愛用品がもっとも適していると言えるでしょう。

衣服や日用品はもちろん、趣味で用いる物や嗜好品も高齢者をリラックスさせるのに効果的です。

愛用の品々に囲まれた場なら、自宅にいるのと変わらない感じで暮らすことも可能でしょう。しかし、老人ホームは他の利用者も暮らす場なので、あまり多くの物品を持ち込むことはできません。ホームによっては特定の物品を禁止していることもあるので、トラブルを避けるためにも事前の確認は必須です。

老人ホームへの持ち込みに不向きな物品として貴金属などの高級品があります。愛用の品であれば常に持ち歩きたいと思うのが自然ですが、紛失や盗難などのトラブルに見舞われる可能性は否定できません。トラブルが起きると以後はそのホームでの暮らしに忌避感を抱くおそれがあることから、高額な物品は持ち込まないのが賢明でしょう。

同様の理由で高額な現金も不向きです。ホームによってはお菓子などの嗜好品を購入する目的で一定額の金銭を持たせることを許可している所があるので、金額の上限を確認して持たせるように心がけます。衣服や食器はかさばるうえに使う機会が少ないので、必要最低限の数だけ持たせるのが無難でしょう。

タオル類は衛生管理の必需品なので、いくら持っても多いということはありません。しかし、他の人の持ち物と取り違える可能性があるので必ず名前を書きます。

老人ホームに多い私物のトラブルや適切な対処法について

老人ホームに愛用品を持ち込む高齢者は少なくありませんが、一方で私物を紛失するトラブルも珍しくないと言えます。大抵は他の人の私物と取り違えたり、気にかけない場所に置き忘れたのが理由ですが、稀に悪意を持った第三者に盗まれたというケースもあることから、私物の管理は徹底しなければいけません。

しかし、高齢者自身がどれほど注意しても、すべてのトラブルを未然に防ぐのは難しいのも事実です。認知症を患っている人が無意識のうちに他人の私物を持っていく事例もあることから、ホーム側が入居者の私物管理に気を配ることが重要と言えるでしょう。

稀に、入居者の私物を適切に管理せず、混在も放置する杜撰なホームもあります。そのようなホームでは何らかのトラブルが起きたとしても真摯に取り組むことは期待できないことから、事前の見学で運営状況を確認するなど情報収集を怠ってはいけません。

老人ホームの評判や利用者の口コミなどを多角的に調べたうえで、慎重に判断する姿勢が求められます。

老人ホームに飲食物は持ち込まないのが賢明

入居している家族の好物であったり、施設職員への挨拶などの理由で老人ホームへ飲食物を持ち込む事例は少なくありませんが、利用者の健康を考えると避けるのが賢明でしょう。飲食物の持ち込みは食中毒のリスクがある他、人によってはアレルギー症状を引き起こす可能性があります。

また、利用者によっては摂取する栄養が制限されている人もいるので、知らずにおすそわけをすると後になってから重大なトラブルに至る可能性は否定できません。そのため、挨拶として差し入れを持ち込むなら飲食物以外の日用品を選ぶのが無難でしょう。

特にハンカチやタオルなど、使う人を選ばない衛生用品は喜ばれる傾向にあります。

ただし、多数の入居者や職員のすべてに差し入れを用意するのは大きな出費になるので、簡単な挨拶で済ませても非礼にはなりません。

私物の紛失が明らかになったら速やかにホームの職員に相談する

老人ホームにおける入居者同士のトラブルで多いのが私物の紛失による揉め事とされています。入居している家族の私物が見えなくなったら速やかに職員へ伝え、原因を明らかにしたうえで再発予防を求めるのが正しい対処法です。

ここで職員の態度がおざなりだった場合、事態の改善は難しいと言えるでしょう。指摘しても改善に至らなければ役所の福祉課に相談すると共に、他の介護施設へ転居するのが最善の選択と言えます。入居者の私物を適切に管理できないホームは他の面でも十分な管理ができないといえるためです。

ハウスルールを守ると共にホームの管理体制を確認することも重要

老人ホームで自宅同様の快適な暮らしを営むには、使い慣れた私物を持ち込むのが効果的です。一方で持ち込める私物の数や種類には限りがあるので、ホームで決められたルールを守ることが重要になります。一方でホームの管理が適切でない場合、私物の紛失や盗難などのトラブルが起きる可能性があるのも事実です。

毎日を心地よく過ごすためにも、老人ホームは慎重に選ぶことをおすすめします。